リスクマネジメントコンサルタントとしての長年の経験を踏まえ、カスタマーハラスメント(カスハラ)への対応策について語りたいと思います。東弘樹と申します。私は1987年に大阪経済大学を卒業後、株式会社ローヤルという生鮮食品の輸入貿易商社に入社しました。1990年には大手クレジット会社の株式会社アプラスに移り、10年間支店にて債権管理を担当した後、決済システムの販売に従事しました。その経験を経て2006年に通信販売企業向けソフトウェア開発販売会社に転職し、そこから独立して2007年に株式会社HAZSを設立し、コンサルタントとしての活動を本格化させました。
未払い問題を解決するため、2010年には筑波大学大学院教授との産学連携をスタートしました。その成果として、2013年には「与信エンジン」を開発し、後払いサービスにおける債権管理の効率化を図りました。このプロジェクトが成功し、私は2014年に筑波大学大学院システム情報工学研究科に進学し、博士号を取得しました。2019年には一般社団法人eコマース学会の常任理事として活動し、筑波大学大学院の非常勤講師も務めました。
私のカスハラ対応への道のりは、通信販売企業からの相談がきっかけでした。2021年には「優良顧客と悪質顧客を100%見抜く方法」という本をクローバー出版から発行し、台湾でも翻訳出版されました。現在は、カスタマーハラスメントに関する社内体制構築支援や事例解析・分析、研修やセミナー講師としての業務を展開しています。
さらに、近年ではGoogleマップのクチコミに注目し、株式会社iRucを設立してネガティブな投稿に対するAIソリューションを提供しています。この新しい挑戦を通じて、カスハラとオンラインレビューの両面から企業のリスクマネジメントを支援していきます。
今後、このコラムを通じてカスハラ対策やGoogleマップの口コミ管理に関する知見や取り組みを共有し、多くの企業に役立つ情報を提供していきたいと思います。企業が顧客対応において困難な状況に直面したとき、いかにして適切に対処するかを考える手助けとなれば幸いです。これからも引き続き、リスク管理の観点から皆様のお役に立てる情報を発信していく所存です。